精索静脈瘤手術

精索静脈瘤とは精巣(睾丸)の静脈にお腹から血液が逆流して、
瘤(こぶ)状にふくれるものを言います。

精索静脈瘤は、不妊男性の約40%にみられるとされていて、不妊ではない
一般男性でも約15%の方に起こるもので、不妊男性の場合はかなり高い確率で
起こります。

また、第1子が授かれない不妊男性では35%に認められたのに対し、第2子が
授かられない不妊男性では70%に認められています。

自覚症状はあまり多くはありませんが、陰嚢部の腫れに気がついたり、違和感を
覚えて受診する方もいるようです。

精索静脈瘤が出来てしまうと、お腹から逆流した温かい血液が精巣(睾丸)の
温度を上昇させるので、そのせいで精子が死んでしまったり、運動率が
低下したり、また精子のDNAが損傷し、精子の質が低下する可能性もあります。

軽度なものであれば血流の滞りを改善させる作用のある漢方薬や
ビタミン剤の投与を行っていきますが、重度のものになると人工授精・体外受精・
顕微授精での妊娠率を上げるためにも精索静脈瘤手術がよいとされています。

治療することで精液所見が改善する可能性があります。

 

精索静脈瘤手術

精索静脈高位結紮術(せいさくじょうみゃくこういけっさつじゅつ)

うっ血を行っている静脈をお腹の中の太いところでしばる手術です。
この方法は最も多く行われている手術法で全身麻酔を使用するため1~3日ほど
入院が必要となります。手術時間は約1時間です。

退院後は事務仕事程度ならすぐに行うことが可能ですが、腹筋の間を入り手術するので
腹筋を使うような力仕事や運動は3週間できません。

手術成績は顕微鏡下精索静脈瘤低位結紮術と変わらず、保険が適用され手術費用は
5万~15万円ほどです。

 

顕微鏡下精索静脈低位結紮術(けんびきょうかせいさくじょうみゃくていいけっさくじゅつ)

顕微鏡を使って、静脈を精巣の近くでしばる手術となります。
手術時間は約1時間です。局所麻酔を使用するので体への負担が少なく
日帰りが可能です。

病院によって保険適用されるかどうかが異なり、保険診療でない場合は20~25万円ほど
かかります。手術の翌日から事務仕事程度ならすぐに行うことも可能で1週後位から運動も
できます。傷跡は小さく、ほとんど傷跡が目立ちません。

 

病院の多くがこの2つの手術のどちらかを採用しています。
静脈を縛る方法以外にも、「経皮的静脈塞栓術」と言って静脈につめ物をして
血液の逆流を止める方法もありますが、この方法はあまり行われていないようです。

精索静脈瘤手術を受ければ、3~4ヶ月ほどで精液の状態が回復するため、3~4ヶ月後に
精液検査を行って確認していきます。精液所見の改善は51%~78%で改善しています。

 

精索静脈瘤手術を受けるための基準

  1. 妻の妊娠機能が正常である、または妻の不妊原因が治療可能な場合
  2. 自然妊娠を強く希望していて、妻の年齢が若い場合
  3. 重度の精索静脈瘤である場合
  4. 精索静脈瘤手術を行って、その後体外受精・顕微授精に進む場合
 

 

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